日本における輸入車整備体制
日本国内で保有されている輸入車の数は、約357万台という統計があります。販売された後の自動車を整備する事業会社が約9万社で、うち約2万社が正規ディーラーです。
正規ディーラー以外の整備工場は、国産車の整備が大半を占めており、輸入車の整備が可能な専門業者(認証工場)の数は2,000程度といわれています。
一般財団法人 自動車検査登録情報協会が発表した「自動車保有台数の推移」をみると、2019年段階で約6,177万台(乗用車のみ)となっており、その中の輸入車のシェアに対し輸入車整備可能な専門業者が不足していることがわかります。
輸入車整備は、新車保証期間中(購入から2〜3年)は正規ディーラーに持ち込まれることが多いですが、保証期間後はその整備料金の高額さから、一般の整備工場を選択するオーナー様が増えてきます。ところが、現代の自動車は電子制御を多様していることが影響して、一般工場では設備や情報の不足が起因して、充分な整備ができない現状があります。
最終的には、正規ディーラーに持ち込むものの、整備工場への入庫・整備パーツの入荷において、長い待ち時間が発生することもしばしば。また正規ディーラーに持ち込まなかった場合、先述した理由から、(オーナー様が気がつかずに)整備不良車のまま乗り続けることも発生し、健全な輸入車環境の弊害が起きている、というのが我が国における輸入車整備体制の現実なのです。
輸入車整備専門店が直面する困難
輸入車による環境負担の削減に向けて、国(経済産業省資源エネルギー庁)においても、専業店へのスキャンツール導入・活用を推進するための補助金制度などの施策を実行していますが、普及までの道のりは依然として遠いのが現状です。
輸入車整備専業店においては、正規ディーラーと比較して利益が薄いことが原因で廃業するケースが後を断ちません。しかし、正規ディーラーだけでは国内を走るすべての輸入車を整備することは困難です。
輸入車業界・整備専門業界の健全化と発展を目指して
日本における輸入車業界・整備専門業界を取り巻く状況を鑑みた結果、国産車の整備を主業としている専業店にも、ノウハウを提供することで輸入車整備に携われるようになっていただくこと。これこそが、輸入車市場および業界の健全化につながり、輸入車オーナー様を含めた関わるすべての人々を幸せにすると考えました。
国産車メインの専業店に対して、輸入車ユーザーに見合った対応・整備技術・廉価パーツの提供・スキャンツールの活用などノウハウの展開を目的に、整備ネットワークとしてフランチャイズ事業をおこなっています。